刑事事件コラム(刑事弁護)
処分保留で釈放とは?
刑事事件コラム(刑事弁護)
釈放される際に「処分保留」と言われると、今後一体どんな処分になるのかと不安になるかと思います。処分保留で釈放された場合は、その後、不起訴になることがほとんどです。
不起訴とする理由は、大きく言って2つあります。起訴猶予と嫌疑不十分です。他にもありますが、この2つだけでおそらく全体の9割以上となると思います。
- 起訴猶予
例えば示談が成立しているが、まだ実際に被害者が示談金を受け取っていない場合、示談金交付を確認してから正式に起訴猶予とするというように、起訴猶予とすることは決めているけどその条件がまだ整っていないという場合です。
- 嫌疑不十分
起訴するに足るだけの証拠が揃っていないために釈放される場合です。逆に言うと、釈放後であっても捜査を継続し、証拠が揃えば起訴される場合があり得るということです。もっとも、現実には、釈放後に証拠が揃うことはほとんどありません。
※検察官は、事件については必ず起訴か不起訴か、どちらかの「処分」をしなければなりません。他方、勾留満期日までに処分を決めなければならないという法的決まりはありません。ですから、法的には、検察官は、処分を決めないで釈放することができます。この釈放の際に「処分保留」という理由をつけることがあります。
※勾留満期日:勾留には期間制限があります。原則として最長20日間です。例えば、1月1日に逮捕されて1月3日に勾留請求された場合、勾留満期日は1月22日ということになります。