刑事事件コラム(刑事弁護)
警察が付ける意見書
刑事事件コラム(刑事弁護)
警察には事件を処分する権限はありません。起訴あるいは不起訴といった処分決定権限は検察にあります。
警察が告訴や被害届を受理した場合は、窃盗などの微罪処分などの例外を除き、有罪無罪にかかわらず、原則として捜査結果を検察に送らなければならないことになっています。これを送検と言います。
警察は、送検する際に、警察としての処分意見書を付けます。警察による処分意見は、おおむね、厳重処分あるいは相当処分のいずれかです。
『厳重処分』は起訴を求める意見書です。これに対し、『相当処分』は不起訴にしても構わないという意見です。
ただし、この処分意見書には拘束力はありません。つまり、検察は、警察の処分意見にとらわれることなく処分を決定することができます。たとえ『厳重処分』という意見であっても、不起訴とすることはあります。逆に、『相当処分』という意見であった場合は不起訴となる可能性は高いと言ってよいでしょう。なお、この警察による処分意見の内容は基本的には開示されませんので、検察官以外に知る方法はありません。
送検には、身柄付送検と書類送検(在宅送検)の2通りがあります。
身柄付送検とは
- 警察が、被疑者を逮捕したままで、警察での事情聴取の供述調書、その他の証拠品等と共に事件を検察に送ることです。
書類送検(在宅送検)とは
- 警察が、被疑者を在宅(逮捕しない)のままで、警察での供述調書、その他の証拠などと共に事件を検察に送ることです。