刑事事件コラム(犯罪被害)

刑事事件と民事事件で戦う

刑事事件コラム(犯罪被害)

ある日突然、犯罪に遭い被害者になってしまった方。加害者の理不尽な態度などに憤り、何とか一矢報いたいとと思っていらっしゃる方。あなたの気持ちを加害者にぶつけ、謝罪を要求する方法として、刑事事件と民事事件の二通りの戦い方があります。

 

それには、刑事事件と民事事件とを別々に考え、まずは刑事事件として扱ってもらうことが必要です。刑事事件として扱ってもらうためには、まずご自身で揃えられる証拠を揃えた上で、警察に被害届を出されることです。その結果、捜査が行われ、検察庁において処分が決定されます。それを待ってから民事事件を進めます。

 

なぜ刑事事件としての処分を待ってから民事事件を進めるのかと言うと、検察庁の処分後にしか、刑事記録の閲覧謄写を行うことができないからです。この刑事記録が大変重要となります。警察の捜査により、細かい証拠関係が明らかになっている記録なので、これがあれば民事裁判で有利に戦うことができるのです。

 

検察で仮に不起訴となっても無駄にはなりません。刑事事件では不起訴となった場合でも、検察庁が作成した刑事記録を証拠として使って民事裁判を起こすことができます。

 

もっとも、検察庁による処分が決定される前に、相手方から示談の申し入れがある可能性もあります。その示談の内容に納得することができ示談に応じれば、民事事件はその時点で終了となり、民事裁判を起こすことはできなくなります。逆に、示談不成立あるいはそもそも示談申し入れがなかった場合は、刑事事件の処分後に、閲覧謄写した記録を証拠として民事裁判を起こすことができます。