刑事事件コラム(刑事弁護)

警察と検事の違い

刑事事件コラム(刑事弁護)

警察と検事の役割の違いについて

 

■警察の仕事・・・捜査と逮捕と送検

警察は、被害届など事件の端緒を得ると捜査を開始する。

警察は、通常は警察自身の判断で証拠を集めるが、殺人事件などの重大犯罪や法律上の問題などがある事件では、検事と連絡を取り合い、捜査を進める。

警察は、被疑者を逮捕するか、在宅のまま取調べを行うかを決めるが、検事と連絡を取り合っている事件では、検事の承諾を得たうえで逮捕する。

警察は、被疑者を逮捕した場合は48時間以内に事件を検察庁に送致し、在宅事件とした場合は一応の証拠収集を終えた時点で、事件を検察庁に送致しなければならない(送検)。

※警察には容疑者の処分(起訴するか不起訴にするか)を決める権限はない。処分を決めることができるのは検事のみ。しかし、例外として、犯罪が軽微な場合、送検せずに釈放することがある。これを微罪処分という。微罪処分の対象となる犯罪の種類、判断基準は、予め検察庁と警察の間で取り決められており、その典型例は万引きである。

 

■検事の仕事・・・起訴・不起訴の判断、起訴した場合の裁判

検事は、送検された事件の証拠を検討精査し、被疑者を取調べて、起訴するか不起訴にするかの判断を行う。その判断も為に必要であれば、警察に補充の捜査を指示する。

検事は、逮捕事件の送検を受けた場合は、送検後24時間以内に被疑者の弁解を聞いた上で、裁判所に勾留請求を行うかどうかを決める。勾留は、10日間を請求することができ、その間に起訴・不起訴を決めることができなければ、さらに10日間の延長を請求することができる。

検事は、起訴した事件の裁判に出廷し、被告人に対して適正な刑を科すため、証拠調べ、被告人質問を行い、最後に求刑をする。

※東京、名古屋、大阪などの大都市では、起訴した検事と、裁判に出廷する検事が異なる。