刑事事件コラム(刑事弁護)
勾留請求を阻止する
刑事事件コラム(刑事弁護)
検察は、逮捕中の事件を受けると、まず勾留の必要があるかどうかを判断します。取調のために身柄の確保を続ける必要があると検察官が判断すると、裁判所に対して勾留請求を行います。裁判所が勾留請求を認めると10日間勾留されます。そして、必要があると判断されれば、さらに10日間勾留が延長されます。
否認事件(逮捕された人が事実を認めない事件)では、ほぼ100パーセント勾留請求されますし、裁判所もほぼ100パーセント勾留を認めます。
そこで、以下では、事実を認めていることを前提とします。
弁護士は、勾留を阻止し、少しでも早い釈放を得るための活動を行います。被害者のある犯罪(万引き、痴漢など)では、被害者との示談が最も重要ですが、逮捕から勾留請求までは時間が限られており、勾留請求前に示談までもっていくのは難しいことの方が多いと思われます。また、被害者のない犯罪(覚せい剤、公然わいせつなど)では、示談の相手がいません。
そこで弁護士は、その人の事情(自分の病気治療、家族の介護など)を説明できる証拠(診断書、介護証明など)を用意するとともに、家族や友人などから「しっかり監督する。要請があれば必ず本人を警察に出頭させる。」といった内容の上申書を作成してもらいます。こうして、勾留をすることにより受ける不利益があまりにも大きく、かつ、逃げる可能性がないことを証明し、勾留請求の必要はないことを検察官に納得してもらい、釈放されるよう尽力します。検察官に直接会って事情を説明し、早期の釈放を訴える場合もあります。