刑事事件コラム(刑事弁護)
交渉ができる時間は必ず丸々72時間あるとは限らない
刑事事件コラム(刑事弁護)
ここでは、勾留請求を阻止する弁護活動を行う際の制限時間について説明します。
勾留請求を阻止するために充てられる時間は、必ず丸々72時間あるとは限らず、場合によって短くなります。
たとえば、1月1日の午前8時に逮捕されたとすると、警察は3日の午前8時までに検察庁に事件を送らなければなりません。しかし、検察庁といえど役所であり、通常の勤務時間は午前8時30分からです。ですから、警察は、検察庁の勤務時間内である2日の午後6時までに事件を送ることになります。検察庁の持ち時間である24時間は警察から送致(=送検)を受けた時点からカウントされるので、送致を受けたのが例えば2日午後6時であれば、3日午後6時までに勾留請求するかどうかを決めなければいけないのです。この場合、勾留請求を阻止する弁護活動に使える持ち時間は、72時間ではなく、56時間ということになってしまいます。つまり、何時に逮捕されたかにより変わってくるわけです。
ただし、秋葉原の無差別殺人などの重大な事件の場合では特別の体制を作りますから、このような勤務時間による制限はなくなります。