刑事事件コラム(刑事弁護)

交通事故加害者の現場実況見分調書

刑事事件コラム(刑事弁護)

交通事故を起こすと、事故直後に現場実況見分が行われます。初めて起こした事故であり、現場実況見分も初めてのことで、どうしたらよいのか見当もつかないことと思います。その際の気を付けるべきポイントを書きます。

 

交通事故の現場実況見分では警察は実況見分調書を作成します。現場実況見分の際、最も大切なことは、安易に妥協しないということです。警察官は、自分たちが考えるストーリーに沿った内容で実況見分調書を作成しようとします。警察官は、「言いたいことがあれば、検事に言えばいい。ここでは、とりあえず、この内容でいいことにしてほしい。」というようなことを言われることがあります。しかし、検事の取調べでは、「現場実況見分の際には同意しているのだから、何をいまさら言うのか。」などと言われてしまうことが多くあります。

 

ですから、どれだけ圧力をかけられても、自分の記憶通りに話してください。そして、自分の記憶と違うのであれば、はっきりと違うと言ってください。警察官は、「そんな態度では、またやり直すことになる。」などと言うかもしれませんが、それでも妥協しないでください。

 

警察官が、被疑者の言うことをちゃんと聞いてくれるのであれば、何も問題はありません。その可能性もあります。

つまり、自分の記憶している通りに、正直に話す、ということが最も大切なのです。

 

検証(現場実況見分)には、ご本人以外弁護士ですら立ち会うことはできません。一人で対応せざるを得ないので、不安もあると思います。しかし、公道で行われるので、近くにご家族の方に居てもらい、話はできなくても姿は見えるという状態を作っていただけるのであれば、お願いしてみてはいかがでしょうか。