刑事事件コラム(刑事弁護)

自首|犯罪を家族や職場や学校に知られたくない

刑事事件コラム(刑事弁護)

目次

・家族に身元引受人になってもらえず困る

・犯罪が家族や職場や学校に知られたくない

・自分の犯罪が報道されてしまうのではないだろうか

 

 

【家族に身元引受人になってもらえず困る

自首したものの逮捕されずに帰宅できる場合は、警察から身元引受人による身元引受書を提出するように言われます。通常は家族に書いてもらうことが多いのですが、自首したことを家族に知られたくない場合は、弁護士に身元引受人になってもらうことができます。

弁護士には相談していなかったため、身元引受人になってもらえない場合もあるでしょう。

このまま身元引受人がいないままだと逮捕されるのではと不安になると思いますが、それだけの理由では逮捕はされません。ただし、逃亡の恐れや証拠隠滅の恐れがあると判断されれば逮捕されるかもしれません。

警察が、身元引受人を要求する理由は、出頭要請した際に、ちゃんと出頭させます、という人を確保しておこうと考えるからです。

一人で自首した場合、警察官からは身元引受人を付けろと何度も言われ、あなたは、身元引受人になってもらえる人はいません、と言い続けることになり、そういうやり取りをすることで時間はかかりますが、逮捕ができない案件であれば、結局は身元引受人なしでも帰宅できます。

 

 

【犯罪が家族や職場や学校に知られたくない】

もし、自首をして逮捕されてしまった場合には、家族や職場に自分の犯罪行為が知られてしまうのでは、とご心配かも知れません。それは心配されなくて大丈夫です。

逮捕されたときは、逮捕の事実を誰に知らせたいですか?と警察から聞かれます。家族に知らせて欲しい、家族以外の誰かに知らせて欲しい、もしくは、誰にも知らせて欲しくない、と言えば、警察はその通りにしてくれます。警察が家族や職場や学校(成人の場合)に勝手に通知してしまうという事はありません。

ただし、犯した犯罪が、自宅での犯罪、職場での犯罪、学校での犯罪(成人の場合)であれば、警察は職場や学校に家宅捜索令状を取って捜査に入りますので、当然ながら職場や学校に知られてしまいます。

例えば、自宅に覚せい剤を隠していた、職場での横領事件、学校での傷害事件(成人の場合)などです。

しかし、他の場所での犯罪であれば、警察から家族や職場や学校へ連絡が行くことは決してありません。

つまりあなたの許可なしに、警察があなたの家族や職場や学校に逮捕の事実を勝手に知らせることはありません。

なお、前もって弁護士に相談していたのであれば、逮捕されたことをその弁護士に知らせて欲しい、と警察に言って伝えてもらうこともできます。

これらのことは、警察からの呼び出しがあり、警察署で取調を受けた、とか、被害者が被害届を出した、等の場合でも同様です。

 

 

【自分の犯罪が報道されてしまうのではないだろうか】

なお、報道されないようにして欲しい、というご希望に関してはお応えできません。

テレビなどで、「警察によると……」という報道がなされるのを見聞きすることがあります。警察は、どんな事件でも報道機関に伝えるわけではありません。社会的注目を浴びている事件や、市民に伝える必要があると思われる事件については広報するのです。なんでも教えてしまうわけではありません。

しかし、たまたま報道機関が取材で突き止めた場合は、報道されてしまいます。それを弁護士の力で何とか報道されないようにすることはできないでしょうか、とのご依頼をいただいたことがありますが、申し訳ありませんがそれは無理です、できません、とお答えしています。

 

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